院長コラム


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飛蚊症(ひぶんしょう)

今回は「飛蚊症」についてお話したいと思います。

「飛蚊症」とは、視界に浮遊物が見える症状を言います。
前方から来た光は角膜と水晶体で屈折し眼球の容積の大部分を占める硝子体を通り
網膜に達します(図1)。
硝子体は透明な卵の白身のような形態で眼を動かすと、どろどろ流動します。この硝子体の中に何らかの濁りが出現した時に、その影が網膜に映り浮遊物として自覚されます(図2)。
この濁りには生理的なものと、病気によるものが有ります。

生理的なものとしては、加齢によるものや近視性のもので、多くの方が経験されていると思います。これは異常ではないので経過観察で良いです。ただし、この濁りが出る際に網膜剥離を引き起こす事が有りますので、一度は眼科を受診して下さい。

病気によるものには、網膜裂孔や網膜剥離、出血、ぶどう膜炎などが有り、これらは治療が必要です。

この原因が生理的なものなのか病気によるものなのかを診断するのには眼底検査が必要です。検査に際しては、点眼薬で瞳孔を開きます。すると検査後5時間ほどピントがぼやけて見えにくくなりますので、眼科を受診される時にはご自分で車やバイクを運転しないで来院して下さいね。

図1:眼球の水平断面図
図2:眼球の水平断面図